インナーやレッグウェア、シューズの産地である奈良県で、異業種から転じて家業を継ぎ、会社の形を変えていこうとする女性たちの活躍が注目されている。自社ブランドの強化や海外市場の開拓をはじめ、次世代に向けた事業の育成を加速する。人材確保が大きな課題になるなか、女性が働きやすい職場作りへの意識も高い。
(山田太志)
4月から社長
4月、巽繊維工業所(橿原市)の社長に巽美奈子取締役が就任する予定。奈良の靴下業界では珍しい女性社長となる。同社は〝自衛隊員の長距離行軍にも耐える靴下〟がキャッチフレーズの「ガッツマン」などで、コロナ下もECを主に支持を集めてきた。21年から3年間の売上高の伸びは、前年比で4%、34%、13%と成長を続け、生産が追いつかない状況にある。
定番品が中心だが、ECのユーザーから新たな商品を求める声も強く、商品開発の強化が新社長の一番の宿題となる。海外市場の開拓も課題だ。ガッツマンでは越境ECにも対応しているが、3年前に開発した薄くて着け心地の良い「ならまき」の欧州での販売強化も目指す。パリで日本製品を販売する「maison wa」(メゾン・ワ)では月に50枚以上売れることもあり、評価は高く、収益を確保しながら拡販の仕組み作りを整備する。
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