パラグアイの伝統レース編み「ニャンドゥティ」の作り手の減少が深刻化している。日本ニャンドゥティ協会によると、産地として有名なイタウグア市では約100人に減っているという。伝統を継承するためには、職人への支援や後継者が育つ環境の整備、時代に見合った商品開発のための教育、適正価格での販売などが必要だ。市場の狭さや高齢化など課題は多いが、日本での知名度が高まりつつあり、パラグアイの職人たちと連携した活動の輪が広がっている。
(小坂麻里子)
ニャンドゥティは刺繍糸を放射線状に編んだレース編み。パラグアイの公用語の一つであるグアラニー語で「くもの巣」という意味がある。伝統的な図案は350種類以上あり、花・果物など自然や身近な生活に寄り添うものから、ヘソなど体の一部・墓・教会などパラグアイの文化や宗教が反映されたユニークなモチーフが多い。
全盛期の3分の1
親から子へと口伝えで受け継がれてきたニャンドゥティ作りは、色糸の登場によって鮮やかな配色・繊細なグラデーションの表現が可能になった。民族衣装や宗教用装飾に加え、現在はインテリアや女性の衣服、アクセサリーにも広く使われている。
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