西九州新幹線があす開業 期待高い長崎市内

2022/09/22 11:00 更新


新幹線開業を告知する垂れ幕で観光客を迎える長崎市内

 西九州新幹線が9月23日、開業する。長崎市と佐賀県の武雄温泉を最短約20分で結び、博多へは今より約30分短い1時間20分で行き来できる。61年間愛された特急かもめの廃止を寂しがる声もあるが、長崎では新幹線開業を告知する垂れ幕がそこかしこにあり、歓迎ムードにあふれている。

 「これまで長崎に来たことがない方にも長崎の良さを知ってもらえると期待しています」と話すのは、アミュプラザ長崎を運営するJR長崎シティの赤木征二社長だ。今回の開業に向け、3月にJR長崎駅高架下に土産店などを集積した「長崎街道かもめ市場」を開いた。地元客に加え、少しずつ戻ってきた修学旅行生や観光客でにぎわう。最後の特急かもめに乗車しようという客も多く来店した。今後にも期待がかかる。

 かつては長崎っ子がおしゃれして通い、今でも地元で〝ハレの街〟と親しまれるのが中心市街地の浜んまち地区だ。船首をイメージした入り口から、大理石風のタイルを敷き詰めた舗道で導くのが「浜んまち商店街」。

開業を祝う旗は至るところに

 ただ、時代とともに人の流れも移ろう。20年にアミュプラザ長崎とゆめタウン夢彩都が、08年にみらい長崎ココウォークが開業したのは大きな分岐点だった。JR長崎駅からやや離れて位置することもあり、浜市商店連合会や商店街の近辺を拠点にする専門店からは「来街者による消費の盛り上がりはそれほどないと思う」との声もある。

 一方、地元を盛り上げたい気持ちは同じ。「長崎の魅力がより良くなれば、地元の人のためにもなる」からだ。長崎市は人口流出が深刻で9月には40万人を割り、地域が連携して街を活性化させていく必要性は共通の課題認識だ。

 西九州新幹線開業に合わせ、新たな観光列車「ふたつ星4047」も運行を開始し、市内でも観光バスが充実する。回復の兆しを見せる観光需要も背景に、街の一層の活気に注目が高まる。



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