MDが使う「算数」をショップ運営に役立てよう!《第3講》⑤(佐藤正臣)

2022/12/21 06:00 更新


(第1項)ショップを運営する上で知っておく利益とは?

2.ショップにとって重要な利益とは?①

≫≫佐藤正臣の過去のレポートはこちらから


前回の講義は“企業の目的”について、社訓や行動指針を体現し、ショップ運営を実践することが大事という話をしました。



私は弊社の社訓を暗唱できなかったので、今はメモを持ち歩いております(''◇'')ゞ。



Tさん、良い心がけです!



今回の講義からお金の話をしていきます!

2.ショップにとって重要な利益とは?
→損益構造を知ることで、ショップにとって重要な利益を考える

おそらくDさんは知っている内容ですので、今回は余計なことは言わないようにお願いします。


へい。



それではTさん、損益計算書って聞いたことありますか?



はい。なんとなくですが、聞いたことあります。会社の集会で社長は「今年の損益は黒字だった!」みたいなことを仰っていたました。



はい、そのことです。これは、私の持論であるのですが、店長(ショップマネージャー)は、損益計算書の意味やその構造を理解すべきと考えています。

損益計算書の構造を理解することは、ショップ運営に役立つことがたくさんありますから、是非とも今回の講義で理解していただけると嬉しいです^_^。



はい、承知いたしました。



では、損益計算書を簡単に説明させていただきます。

会社の利益を知ることの出来る決算書のことで、違う言い方をすれば、会社の通信簿のようなものです。利益が高いほど良い企業とされています。



なるほどです。なんとなくは理解できるのですが、売上が高ければ高いことが、会社にとって良いことだと思っていましたが、そうではないのですね?



Tさん、良いところをついてきますね!では、損益計算書の簡単な構造をお伝えいたします。


まず一番上に記載されているのが、さきほどTさんが言っていた“売上”です。その下に粗利益(売上総利益)・売上原価と続いています(決算書では売上原価と粗利益の順番が逆です。今回は敢えて粗利益を上に記載しています)。

そして、販売費及び一般管理費。営業利益となっています。



私の知らない言葉多くて、頭がパニックです(◎_◎;)



では、より簡単に詳しくそれぞれの言葉の意味を説明していきます。

まずは、売上です。商品を販売、またはサービスを提供することによって得られる代金のことです。こちらはTさんもすぐに理解頂けるでしょう。



はい。ショップの売上をチェックしています!



続いては粗利益です。売上総利益とも言います。これは、売上から売上原価を引いた利益のことになります。

簡単にお伝えすると、10,000円で売れたシャツの仕入原価が4,000円だった。10,000円から4,000円を差し引いた6,000円が粗利益となります。売上から(商品の)原価を引いたら粗利益と覚えておけばよいでしょう!因みに、この粗利益は私の本業であるマーチャンダイザーにとっては、重要な数字となります。


( ..)φメモメモ



続いて売上原価ですが、先ほどの例で言えば、4,000円が売上原価になります。会計学では、売上原価は仕入原価のことを指しますね。この後の講義で粗利益のことは詳しく触れていきますが、粗利益+売上原価=売上になる!という構造を、Tさんに理解して頂けると嬉しいです。




頑張って理解します( ..)φ。



次は、販売費及び一般管理費についてです。巷では“販管費”等と言われています。これは、事業を運営する上で生じる費用のことです。例えば、Tさんのショップの家賃やTさんの人件費・交通費等が販管費になります。



はい、これは理解しやすいです!



最後に営業利益です。これは、本業の儲けとも言われている重要な利益で、店長であるTさんにとっても重要な利益です。その計算式は以下の通りです。

粗利益(売上総利益)ー販売費及び一般管理費=営業利益



営業利益の計算式に、売上は入ってないのですね!



Tさん、良いところに気づきました。しかしながら、ここで字数制限が来ましたので、今回の講義は終了です。次回は、この続きになります。



では、皆さん。次回もお楽しみに(@^^)/~~~


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佐藤正臣 95年(株)ノーリーズにアルバイトとして物流倉庫からスタートし、店頭勤務7年(レディース)。02年より(株)ノーリーズにおいてメンズ(フレディ&グロスター・ノーリーズメンズ)立上をMDとして担当。10年よりフリーランスとして活動開始。シャツメーカーの新ブランド開発の企画サポート。その他、新規ブランドの立上マーチャンダイジング計画など、様々なフィールドで活躍したのち、14年5月末、株式会社エムズ商品計画を設立。小売り企業へのMDアドバイスや専門学校での講義・また海外での講義等。現在、多方面で活躍中。www.msmd.jp



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