「途上国から世界に通用するブランドをつくる」を理念に掲げるマザーハウス(東京、山口絵理子代表)は、インドの綿素材「カディ」を主素材に使ったアパレルブランド「E.」(イードット)から、新ライン「エリコ・ヤマグチ」を9月3日に発売する。9月16日には東急プラザ銀座に1年間の期間限定店を出す。
(壁田知佳子)
22年秋冬のコンセプトは「差異を越えた境界のない世界」。国籍や性別、年齢などの違いを越え、共通の喜びや理解を探求する。東洋的な〝布をまとう〟感覚や、生地の〝揺れ〟や〝たわみ〟を生かしながら、都会になじむモダンなシルエットを黒と白をベースとした色使いで表現した。ウェアは、布をまとう感覚を重視した「MATOU」(マトウ)、帯から着想した「OBI」(オビ)、着る人によってシルエットが変容する「METAMO」(メタモ)などのシリーズで構成する。ウェアの半数はユニセックスで着られる。22年秋冬はウェア36型、バッグ2型、ジュエリー1型。インド、ネパール、バングラデシュ、インドネシアなど、同社の工場で生産している。

「(チーフデザイナーを務める)『マザーハウス』は生産地の力を引き出すことに注力する物作りをしているが、エリコ・ヤマグチは、より〝自分らしさ〟を表現した」と山口代表は話す。
8月31日まで、オンラインの特設サイトと東京・台東区のイードット本店で先行予約を受け付けている。

銀座でトークショー
7月31日に東京・銀座で、イードットの顧客を招き、エリコ・ヤマグチのデビューを記念したトークショーと先行予約会を開いた。東京でのリアルイベントは約2年半ぶり。
トークショーで山口代表は、「コロナ禍で出張に行けない中、自分自身のキャラクターやパーソナリティーに素直に従った服を実験的に作ってみたところから、エリコ・ヤマグチは始まった。夢中になって作る中で、東洋的なものや日本の美など、自分自身のアイデンティティーとして持っているものを再認識した」と話した。
