ミツフジ 福島工場が本格稼働 生産・研究開発拠点に

2018/09/04 06:29 更新


 ウェアラブルIoT(モノのインターネット)製品メーカーのミツフジ(京都府精華町)は3日、福島県川俣町に国内生産の拠点となる工場を本格稼働した。福島工場では着用して心電、心拍など生体情報を計測できる衣服型の端末、スマートウェアを生産するほか、敷地内に設けた研究開発施設と連動して改良・新製品の開発を素早く行う。「オープンな研究開発」を推進し、産学連携も積極的に行う考えだ。

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 福島工場の投資額は17億円(そのうち、設備投資額は5億円)。原資には経済産業省から得た、津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金も活用した。敷地面積は約2万4000平方メートルで、工場棟が約3700平方メートル、研究開発棟が約800平方メートル。生産スペースではスマートウェアや導電性繊維を使った電極テープを作る。スマートウェアの生産能力は年間10万枚。

 スマートウェアの本体は無縫製横編み機「ホールガーメント」製が主力で、ホールガーメントは導入予定の12台のうち6台が稼働。そのほか、製品に必要な生地の裁断、縫製、仕上げまで一貫する設備を構えた。生産スペース以外は、企業および大学など研究機関との共同研究開発を目的にした作業室やR&D(研究開発)室を設けた。

 屋外には約400メートルのランニングトラックを整備し、工場でサンプルを作ってすぐに運動時のデータ取得実験ができる。屋内にも約60メートルのコースがあり、雨天時に対応する。研究開発棟にはワークショップや会議、勉強会など自由に使える共同作業室、実証実験室、会議室を設けたほか、食堂は「地域住民の利用も想定」したオープンなコミュニティースペースとして活用する。

「ホールガーメント」室内
研究開発棟内にあるカフェテリアスペース


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