25~26年秋冬に向けたミラノ、パリのファッションウィークは、新ディレクター就任の初ショー、ウィメンズとメンズ合同の大規模ショーなどが見どころとなる。ミラノは「ボッテガ・ヴェネタ」の新社屋でのイベント、パリでは初となるファッションガラ開催も気になるところ。
ミラノ 100周年迎える「フェンディ」
2月25日から3月3日まで開催される25~26年秋冬ミラノ・ファッションウィークは、62のショー(うちデジタル6)、69の展示会、23のイベントが予定されている。
開幕を飾る「グッチ」は、サバト・デ・サルノの辞任により、クリエイティブディレクター不在のショー。一方で、「アルベルタ・フェレッティ」のロレンツォ・セラフィニ、「ブルマリン」のデヴィッド・コーマが新クリエイティブディレクターとしてデビューを飾る。100周年を迎える「フェンディ」は、リニューアルしたミラノ本社内の、以前の2倍の広さとなるショー会場で、メンズとウィメンズの大規模な合同ショーを開催する。30周年の「ディースクエアード」、60周年の「ケーウェイ」もメンズとウィメンズ合同ショー。
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ショー初参加で注目は、23年にスイス人海洋環境活動家が買収し、メイド・イン・イタリー100%を目指す「フィオルッチ」、「アクトN.1」のデザイナーだったガリブ・ガサノフが手掛ける「インスティトゥーション・バイ・ガリブ・ガサノフ」、前回、急きょ延期となった「ドルチェ&ガッバーナ」の若手支援プロジェクトの中国人デザイナー「スーザン・ファン」。
「ボッテガ・ヴェネタ」はドゥオモ(大聖堂)近くの新本社社屋サン・フェデーレ宮で、イタリア人建築家カルロ・モリーノの先駆的なデザインと同ブランドの文化振興にオマージュを捧げたパフォーマンスイベントを開催する。
(ミラノ=髙橋恵通信員)
パリ アッカーマンの「トム・フォード」
パリ・ファッションウィークは3月3日、フランスモード研究所のマスタークラス卒業作品のランウェーで幕を開け、11日までに71ブランドがショーを、37ブランドがプレゼンテーションを行う。今シーズンは初参加ブランド、アーティスティックディレクター交替後の初披露、そしてカムバック組も目を離せない。
なかでも、ハイダー・アッカーマンが手掛ける「トム・フォード」は、新アーティスティックディレクターによるパリ初ショーとなり、最も注目を集める。昨年、LVMHヤングファッションデザイナープライズでグランプリを受賞した「ホダコヴァ」のショーも話題だ。また、公式カレンダーでは初となる「アライア」も期待される。
「ジバンシィ」は新アーティスティックディレクター、サラ・バートンによるショーで復帰。そのほか「アンダーカバー」「コペルニ」「ケンゾー」「ルドヴィック・ド・サン・セルナン」「マリーン・セル」「オフホワイト」「ヴェロニク・ルロワ」などがカムバックを果たす。
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4日の夜は、ランウェーからルーブル美術館へと世界の視線が集まる。ニューヨークのMETガラのパリ版、同美術館の活動資金を集めるためのラグジュアリーメゾンやクリエイターが一堂に会するファッションガラが初開催される。
(パリ=松井孝予通信員)