ルーブル美術館で「モードの夜」 初のファッションイベントを開催

2025/07/24 10:59 更新


 パリ・オートクチュールウィークの最終日、ルーブル美術館が初のファッションイベント「モードの夜」を開催した。同館で大ヒット中のルーブル・クチュール展にちなみ、夜に美術館を開放し、パフォーマンスやライブを通じてファッションを体感する一夜限りの試み。若い層への文化的接点としても注目された。

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 見どころは、米アーティスト、ジョーダン・ロスによるパフォーマンス「容赦なき美の過激な行為」の世界初演。劇場プロデューサーとして知られるロスだが、本作では自らが創作、演出、出演を兼ねた。ルーブルの所蔵品や建築空間、クチュール展に着想を得た「レッド」「ウィング」「ピラミッド」の3部構成で、大理石の彫刻群に囲まれた空間にアート、ファッション、体の三位一体を描いた。

テーマ「ウィング」

 衣装は上演中に変化し、映像投影によってルーブルの名作や建築が映し出された。ファッションの引用として登場したのは、ジョン・ガリアーノによる「クリスチャン・ディオール」04~05年秋冬オートクチュールのドレス。赤のベルベットに白のエルミン(オコジョ)の縁取りが施され、「夢の入り口」として提示されたという。

テーマ「ピラミッド」
テーマ「ピラミッド」

 芸術と歴史を象徴するルーブルにおいて、体とモードが繊細かつ大胆に交差するこの上演は、見る者の記憶に深く刻まれた。

(パリ=松井孝予通信員)



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