ランニングシューズを新調しようと検索をしていると、各社とも新しい分野の開発に力を入れていることに気づく。それは、日常生活とシームレスにつなげるようなカテゴリーだ。「ランニングでもそれ以外でも履いていられる」というコンセプトで、両方で使えるデザインや機能を強調している。
ここ数年は、競技用途での開発競争が主軸だったように思える。カーボンプレートを入れて反発力を増した厚底のレース用で、アスリートと契約してブランドの優位性をアピールしてきた。しかし、走るのは必ずしもレースでタイムを競う人ばかりではない。健康のためのジョギングをするランナーには、アスリートが使うようなトップモデルは必要ない。
ライフスタイルとランニングを結び付けるシューズ開発には、裾野を広げようという意識が感じられる。速さをアピールした高機能モデルでメーカーとしてのブランド力をアピールしながら、新たな需要を掘り起こす。そんな狙いがある。
そうした手法は、ファッションやアウトドアなど、スポーツ以外の分野にも適用できるだろう。例えばトップクオリティーのハイブランドは一部の顧客しか買えない金額になりつつある。しかし、そこだけに依存していては未来はない。エントリー商品の見直しなど、裾野を広げていく取り組みも求められている。
