《めてみみ》需要が先行する時こそ

2026/09/17 06:24 更新NEW!


 「ちょうど今使っているのが、2年前に発注したものです」と某メンズカジュアルブランド。旧式の力織機で織られるセルビッジデニムの話だ。このデニムが足らない状況で、一部では発注しても、納品が3年以上先になるとも言われている。

 セルビッジデニムは、緯糸を巻いたシャトル(杼=ひ)が左右に往復する力織機で織られる。最新の織機に比べて生産効率はかなり低い。だが、空気をはらむように織られ、凹凸感などの独特の風合いが出る。生地がほつれないように端(エッジ)が処理されることから、セルフエッジ=セルビッジと呼ばれるようになったそうだ。

 そんなセルビッジデニムを使い、物作りにこだわっているた日本のブランドが元気だ。卸先の店を目がけてインバウンド客がやって来るし、輸出を伸ばすところも少なくない。欧米だけでなく、「東南アジアには超富裕層がいる。そこを狙いたい」という声もある。

 なぜ海外からの需要が増えているかを取材してみると、魅力を伝える工夫がポイントになっているとわかった。現地で期間限定店やトークイベントを実施するなど、物作りの背景や熱量を直接伝えるのが大きな意味を持ち始めている。共感してくれるコアなファンを海外にも、という視点は重要だ。需要が供給を上回っている時だからこそ、一つひとつを丁寧に売っていくべきだろう。



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