4月に創業120周年を迎えたミズノ。水野明人社長に長く続いた理由を聞くと、「メーカーとして愚直に良い物を作り続けてきたから」との答えが返ってきた。この考えは投資方針に表れる。製品の開発・生産分野に投資の大部分を割き、「今でも用具とシューズ、ウェアのマザー工場は国内に残している」(水野社長)。
発売後も改良を重ね、長い期間にわたって販売できる商品が多いのも同社の物作りの姿勢を示す。例えば誕生から30年以上が経つ独自の吸湿発熱素材「ブレスサーモ」だ。初めはわた状だったが、その後糸にすることに成功。編み立てや染色段階でも粘り強く技術改良を重ね、今では様々なアイテムに採用できるようになった。
「ええもんつくんなはれや」。ミズノに脈々と伝わる創業者・水野利八の言葉だ。ミズノの120年はこの精神を社内に浸透させ、より良い物を作っていく風土を根付かせてきた歴史とも言えるだろう。
国際的なスポーツ大会となればブランド同士が激しい宣伝合戦を繰り広げ、いまやスポーツメーカーはマーケティングに多くの費用を投じている。「我々はマーケティングカンパニー」とはっきり宣言する企業さえある。もちろん宣伝それ自体が悪いことではない。だが、世の潮流に流されることなく「宣伝よりも物作り」を貫くからこそ伝わる魅力もあるだろう。
