《めてみみ》長崎・出島で考えた

2026/09/04 06:24 更新NEW!


 夏休みに家族で長崎から五島列島を旅した。美しいビーチと世界遺産にもなった潜伏キリシタンの遺跡を巡った。出島やグラバー邸など歴史を感じさせる建物から過去に思いをはせる。近代日本の出発点ともなった街だ。

 その土地ならではの文化や歴史を感じることに旅の醍醐(だいご)味がある。緑の山並みと港、数々の史跡。あまり開発が進まず、昔ながらの街並みが残るのは、険しい山で三方を囲まれた坂の街だからだろう。もちろん、スターバックスに代表される世界的チェーンもあるが、昔ながらの老舗喫茶店が共存している。そんなところにも魅力がある。

 世界の様々な都市に行くと、グローバリズムの波にさらされて街並みが均一化していることに気付かされる。街の中央には教会があり、その広場にはルイ・ヴィトンとマクドナルド、H&Mが並ぶ。そんな街をいくつも見た。かつて日曜日は店がほぼ休みだったミラノも、今では中心部のブランド街はほぼ開店している。

 「日本の文化が成熟したのは鎖国政策があったからだ」と、かつてデザイナーのフセイン・チャラヤンが話したことがある。グローバリズムに対し、その土地ならではのローカルの文化をいかに残していくのか。ローカル文化がいくつもあることが豊かな暮らしを形作る。鎖国政策の象徴ともいえる出島から改めて考えた。



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