《めてみみ》始まった百貨店の再生

2024/05/28 06:24 更新


 三越伊勢丹ホールディングスは24年度に営業利益640億円(前期比17.7%増)を計画する。長期目標の営業利益500億円を超過達成、24年度に上積みして2年連続最高益を見込む。従来モデルを変革し、利益体質を強化する再生フェーズが進展した。高感度・上質消費に対応したハイタッチなMD、サービスで集めた顧客を識別化してつながる戦略を徹底した。加えて、損益分岐点の引き下げなども奏功した。

 百貨店業の営業利益は23年度に2.2倍の451億円に達し、24年度には515億円を計画する。24年度の総額売上高は伊勢丹新宿本店が4110億円(9.3%増)、三越銀座店が1140億円(8.8%増)と過去最高、三越日本橋本店が1580億円(3.4%増)を見込む。伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店は買い上げ客の識別顧客の比率が7割に上る。

 地域店の収益改善も見逃せない。地域事業会社の営業利益は23年度に66億円に改善し、24年度は88億円(34%増)を見込む。これまでの最高益は50億円程度。増益基調が定着した。

 外商顧客向け販売催事に地域店の顧客の来場が増えており、地域店の外商担当者が都内の店舗に常駐する。拠点ネットワーク化で、地域店の顧客の購買機会が着実に増えている。百貨店から個客業に転換させながら、次のフェーズの準備に余念がない。



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