ユニクロの欧州事業が伸びている。上期は大幅増収増益で、24年8月期は前期比約30%増の売上高2500億円、営業利益も45%増の400億円と過去最高業績を見込む。好調の理由はブランドの軸をぶらさない経営にある。
01年のロンドンを皮切りに市場を広げてきた。日本と同じく、店頭での丁寧なサービス、欠品を起こさない在庫管理を徹底したことで、現地客の信頼を少しずつ獲得していった。
「企業理念やサステイナビリティーに対する我々の考え方が伝わったことで、支持を得られた」とは守川卓ユニクロ欧州CEO(最高経営責任者)。「自分たちのブランドをしっかり守ることに執着すれば、苦境でも必ず成長できる」と話す。
トウキョウベースは5月に「ステュディオス・トウキョウ」の1号店をアメリカ・ニューヨークに出す。谷正人CEOは事前に他社の成功と失敗、それぞれの進出事例を調べ「結局、自社独自の文化を、向こうの文化と言語に合わせて、どれだけできるかしかない」との考えに至った。
既に米国が収益源となっているユニクロも、進出したのは05年。黒字化には十数年を費やした。「ユニクロは自社のやり方を米国でも実現できたから成功した」と分析する谷CEO。場所に関係なく、その会社独自の強みを発揮できるかがグローバル市場での成功を左右すると見る。