上海の地下鉄駅構内にスキー場の広告が目につくようになった。スノースポーツへの関心が高まってきたのだろうか。スキー板を電車内に持ち込む光景にも出くわした。公共交通で大荷物を持って移動する人は多いが、スキー板は初見で実にまれだ。しかし、板にビンディングが取り付けられておらず、このままでは使えない。急ぎ頼まれ運ぶのか、草創期らしい知識不足なのかと、勝手に連想した。
中国ではコロナ禍以降、キャンプやスキーなどアウトドア関連レジャーが注目されている。非日常の体験に魅力を感じる層が増えたわけだが、本来外遊びは不便な場所に自力で向かい、必要な道具や食材も持参しなければならない。「上げ膳据え膳サービスを求める中国人には向かない」と言われていたのに、ちょっとした異変といえる。
キャンプに関しては、都会在住の若年層がファッション感覚で関心を寄せているのが多いのだろうと思っていたが、実は小さな子供を持つ家族も軸になっている。中国の子供は小学校から学習塾や習い事で忙しい。競争で子供は神経をすり減らし自ら命を絶つ子もいるという。親は子供の息抜きのため外遊びに連れ出したい。そんな背景があって、インフラ環境も整いつつある。
次は魚釣りも注目され出しているという。暖かくなればアウトドアレジャー市場が一層活発化しそうだ。