《めてみみ》接客の進化

2023/09/01 06:24 更新


 販売員の接客は元の姿に戻ったのだろうか。あるSCのロールプレイング大会を見てそう感じた。「購買意欲はあるが、買うまでいかない。着ていく場面がないのが理由」。2年前の当欄で書いたある販売員の言葉だ。行動制限がなくなった今は「着ていく場面」は数多くある。結果、ファッション商品も売り上げを伸ばしている。

 マスク姿の出場者もいるロープレだったが、全体に昨年よりも声のトーンが高く、客役との会話が弾んでいた人が多かった。控えめな接客が求められたコロナ下から、ようやく脱却しつつある。

 来店目的を聞き、求めている商品を探りながら商品を提案する一連の手法は各出場者とも出来ていた。ただ、ほとんどの出場者がフィニッシュ(購買決定)までたどり着かなかった。ニーズ把握の中での会話が弾み過ぎたのが要因だろう。競技としてはフィニッシュまで行くのがきれいな姿だが、実際の接客では客との関係性を深める会話は重要だ。

 「販売員も物を売るだけでなく、人を見る関わり方をすれば、店の売り上げはもっと向上するのでは」。あるパーソナルスタイリスト(PS)が話していた。PSは「人の魅力を引き出すのが仕事」。販売員も商品説明よりもニーズ把握が重視される時代に変わった。その先にあるのはPSの要素を持った接客になるのではないか。



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