《めてみみ》のびしろ日本一

2023/04/19 06:24 更新


 ブランド総合研究所は都道府県の魅力度ランキング調査を毎年発表している。22年度は1位が北海道、以下京都、沖縄と続く。観光資源の豊かな場所であり、おおむね納得されるところだろう。対して最下位は佐賀、次が茨城となる。

 テレビ番組などでは下位の県ほど面白おかしく取り上げられやすい。自治体もかなりランキングを気に掛けている様子。最下位になることの多い茨城県は、ランキングを逆手にとり「魅力度最下位の過ごし方」を発行。キャッチコピーも「なめんなよ♥ いばらき県」「のびしろ日本一。いばらき県」などユニークだ。

 日本の繊維の歴史のなかで、茨城県の貢献度は小さくない。神話の一つでは、日本の養蚕は茨城県が発祥と伝えられる。昔、インドに金色姫という王女がいた。継母からの迫害を避けるため、王様は姫を船に乗せて海に流した。長い航海を経て、茨城の浜にたどり着いた姫は、やがて蚕に姿を変えたという伝説だ。

 明治以降の近代化で絹が日本の主力産業になるなか、古事に基づき養蚕の神をまつる蚕影神社(つくば市)などは絶大な信仰を集めた。往時には全国から関係者が参詣したと伝わる。養蚕業の衰退と共に、蚕影神社を訪れる人も今は少なくなったが、絹の恩恵を受けてきた私たちにとって、ランキングとは関係なく大切な場所である。



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