組織のトップに立つべきではない人は3種類だという。まず、知識はあるけれど知恵がない人。いろんなことを知っていても、目の前の現実に当てはめて応用できず、機転も融通も利かない上司に部下は付いていかない。
次が、管理に一生懸命になって、業績を伸ばしたり、人材を育てたりできない人。細かいことばかり気にするので、好機を逃すことも多いし、後進の指導でも自分の考えばかり押しつけ、他人を自分の型にはめようとするので、育たないばかりか、柔軟な発想が生まれる風土を損なう。
最後が、経験もなく、センスも貧弱なのに勘に頼る人だ。仕事の結果も出さず、周囲を巻き込む良いアイデアを提出したこともないのに、組織の派閥争いによってなぜか出世してしまった人に経営のかじ取りを任せるのは不安でしかない。
この話を取材時の雑談で聞いたのはもう10年以上前のこと。最近、若い人がせっかく入社しても、すぐ辞めてしまうことが多いと聞き、どうしてそうなるのか考えていて思い出した。
仕事が過酷、給料が安い、社風が合わない、個人の成長が見込めず、会社の将来も見えない。世代を問わず辞めたくなる理由は様々だが、人の悩みの7割は人間関係という。部下の退職を減らしたい上司は、ここに挙げた3種類に自分が該当してはいないか、自問するといい。