《めてみみ》歩を進める

2022/11/10 06:24 更新


 COP27(国連気候変動枠組条約第27回締結国会議)がエジプトで開かれている。昨年のCOP26では努力目標だった「1.5℃目標」(今世紀末の平均気温を産業革命前と比べて1.5℃の上昇に抑える)を明確にし、世界で50年にカーボンニュートラルを目指すことで同意した。しかし、既に世界の平均気温は1.1度上昇し、最新の報告では各国が掲げた温室効果ガス(GHG)排出量の削減目標を合わせても2度以上上昇する見通し。より高い削減目標と実践が必要だ。

 日本企業もGHG排出の削減を進める。しかし、コロナ禍が底を打ち、事業活動が活発になってGHG排出量は増える傾向にある。東レグループの21年度のGHG排出量は、前年比10.5%増の549万トン-CO2。生産量の回復が背景にある。帝人グループは自社排出GHGを30年度までに18年度比で3割減らす目標。21年度は前年比1%増だが、18年度比では7%の減。

 自社グループに加え、供給網全体での削減が求められており、取引先との協働も欠かせない。取引先の選別にもつながりそうだ。

 事業活動を強めながらGHG排出量を減らすのは至難の業だが、地球温暖化は着実に進み、待ったなしの状態。COP27で様々な思惑がぶつかり合い、大きな進展がなくても企業レベルでは確実に、着実に歩を進めなければいけない。



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