若い頃、寸法を測らずにビジネスシャツを購入し、失敗した経験が何度かある。Mサイズだからいけるだろうと思って実際に着てみると、胸囲や首回りが大きすぎたり袖丈が長すぎたり。あるインポートブランドのシャツは明らかにオーバーサイズだった。
当時は色や柄、ブランド名を優先していた。ジャストサイズで着ることの心地良さを知ってからは、ビジネスシャツは寸法を測ってもらって購入している。その他の商品も試着して購入するようになった。今の優先順位は価格以外でいえば、品質、ジャストサイズ、デザインの順になるだろうか。
ブランド(店)をまたいだ商品の比較や購入がしやすく、いつでもどこでも買える利便性で成長してきたEC。そのペインポイントといわれるのが、実物確認や試着ができないこと。想像していたのとサイズ感や着心地が違うといった理由で返品することもあるだろう。「ECでの買い物の不満が積み重なるとECでの買い物も控えるようになる」。そんな話を聞いた。
コロナ下のリアル店の売り上げの落ち込みをECでカバーしきれていないのは、そのためだという。異論・反論はあるかもしれないが一理ある。買い物の際の不満を解消する努力はECだけでなくリアル店舗も欠かせない。「買って良かった」となる快適な買い物体験が、次の消費を生む。