新型コロナウイルスの水際対策や行動制限の緩和が広がっている。入国者数の受け入れの上限を1日2万人に引き上げるほか、一定の条件下ならマスクが必要ないとする議論も始まった。感染対策と経済社会活動を両立させる「ウィズコロナ」を徐々に進めることになる。
緩和に大きく影響したのが、4月末からの大型連休後に感染者数が急増しなかったことだ。都道府県をまたぐ人の移動など行動制限を3年ぶりに求めなかった。水際対策を巡り、海外や国内の観光業界から「厳しすぎる」との批判の声も日増しに高まっていた。
都内百貨店は大型連休に家族連れなどの来店で、売り上げを前年より大きく伸ばした。その後も勢いが継続し、ラグジュアリーブランドなどの高額品だけでなく、婦人服、紳士服、服飾雑貨の売れ行きが良い。苦境が続いていた飲食は昼食時に行列ができるレストランが多い。
昼間時間帯は平日、休日を問わずコロナ禍前のにぎわいを取り戻す一方で、夜間の不振が続く。これまで午後3時に売り上げの折り返しだったが、前倒しは顕著だ。「午後5時以降は閑散としており、会社帰りのOLがほとんどいない」(婦人服売り場)という。飲食は屋上ビアガーデンは盛況だが、ディナータイムの売り上げの低迷が続く。ウィズコロナによる行動変容への対応が急がれる。