DtoC、KOL、TCFD…。様々な略称が新しい言葉として流通している。本紙では、それぞれ「メーカー直販」「キーオピニオンリーダー」「気候関連財務情報開示タスクフォース」と補足している。十分ではないだろうが、まずは最初の一歩として。
言葉は生き物と言われるように、ビジネスも絶え間なく変化し続ける生き物であり、新しい概念も言葉も次々に生まれる。できるだけ的確に意味を示し、共通言語として分かり合えるものにするには、それなりに時間も要る。
18年に第7版が発行された『広辞苑』によると、項目数は25万。「日本語として定着した語、または定着すると考えられる言葉を厳選」したという。記者が使っている電子辞書は第5版(98年)で、項目数は23万超だから、20年で2万の増加だ。
第5版にはなく第7版に載った言葉は「サステイナビリティー」「ダイバーシティ」など。一方で「インバウンド」「エシカル」は見当たらず、やや意外。
本紙の「FB用語解説」は14年5月14日付から昨年末まで毎日掲載し、今年から不定期として1600項目を超えた。最初の用語が「インバウンド」だった。一つの言葉が定着するか廃れるかはわからない。それでも、実りある共通言語という基盤作りに、微力ながら貢献したい。この思いで、今日も新聞を届ける。