百貨店、ファッションビルともに11月の販売は多くが前年実績を上回った。12月はさらに高い伸び率で推移中のようだ。気温の後押しもあるが、何よりも新規感染者の減少が大きい。長らく落ち込んでいたお出掛け需要が急速に高まり、併せてギフト消費も顕在化した。
この間、百貨店では富裕層を中心とする高額品消費が好調だったが、それだけでは全館売上高を伸ばせなかった。家ナカ需要もしかり。改めて、外出が多方面に生み出す需要の〝強さ〟と大きさを実感する。婦人ファッション消費で言えば、ヤングからミセスまで年齢を問わず、カジュアルもフォーマルも動いた。
ギフト需要も同様。堅調と聞く中元・歳暮需要だけでなく、人と直接会うことがギフト需要を喚起しているのだろう。11月も「コスメや雑貨各店舗でギフトニーズが伸長」と、あるファッションビル。百貨店でも「暮らしに楽しみや彩りを求めるムードの高まり」の一つにギフトを挙げていた。
パーソナルギフトは、普段使う買い替え商品とは異なる。恐らくは、少し良い物やお気に入りの商品を選ぶのではないか。「贈りたい商品」と「自ら買いたい商品」は、クリスマスを楽しみにしているカップルは別としても、大きなズレがあるとは思えない。正価で売れる贈り物は、自らへのごほうびに買う可能性もある。