上海は最近、寒い日が多かったが、日曜から暖かくなり、桜がほぼ満開となった。この間、新型コロナウイルス感染者も市民から全く確認されておらず、穏やかそのもの。地下鉄や商業施設は別として、屋外ではマスクを着用せずに歩く人々が増えた。
平穏さと陽気に誘われてか、企業の生産や消費活動が上向きそうな話が耳に入ってくる。ある会社の駐在員が帰国するに当たり、「ごあいさつに伺いたい」と取引先責任者にメールしたところ、「地方都市へ出張のため会えません」との返答が多かったという。これまで訪れられなかった地方へ決裁者が赴き、商談や方針共有を活発に行っている模様。こういった話を聞くと、コロナの抑え込みが事業者の活気にも極めて重要だと分かる。
ただ、街の全てが上向きかというと、そこは微妙。上海には大小の商業施設が無数に存在していて、各施設で明暗がくっきり出ていると思う。
社宅のある威寧路駅上にある商業施設は、平日も大勢でにぎわうが、西に1駅進んだ駅の商業施設は日曜日が閑散とする。郊外に向かっていくとはいえ、歩ける距離の1駅で明確な差がある。蘇州河の北側にある商業施設は、コロナ禍が理由かどうか不明だが、いまだ全面営業はしていない。すでに上海も成熟していて、集客コンテンツの有無が明暗を分けている。