少し不便を感じた正月だった。元日、近所のスーパーに行くと閉まっており、3日まで休む小売店も結構あった。しかし不満はない。こういう環境下だからこそ休めるし、感染のリスクと向き合い続ける従業員がせめて正月はゆっくり休める。適度な休息は事業の継続には欠かせない。少しぐらい不便になってもいい。年中無休、24時間営業、これまでが異常だった。
日本ショッピングセンター協会発行の「SC白書2020」によると、年中無休の商業施設は、15年度の35%から19年度は24%に減少。その分、年間休館日数が1、2日の施設が増加、特に元日の休みが増えた。その割合は15年度が回答全体の47%。3年ほどで急伸し、19年度は56%超まで高まった。「人材不足」「従業員の労働条件改善のため」などを背景に、施設の営業時間短縮も進んだ。
冒頭のスーパーは商業施設内にあり、施設自体は年中無休。館は開けながら、開・閉店や営業時間は各テナントの判断を尊重する。施設側の運営は大変だがその柔軟さのためか、空き店舗が出てもすぐに埋まる。
コロナで常識が変わる。休店日、営業時間、セールのあり方、MDなど、これまで常識とされ、改善したくてもできなかったことをいったんリセットする良い機会。新常態への対応にとどまらず、新常識を作り上げる時機だ。