地球温暖化を防ぐため二酸化炭素(CO2)の最大の排出国である中国が、30年までにCO2の排出量を減少に転じさせ、60年までに実質ゼロにすると表明した。米国ではカリフォルニア州知事が35年以降、州内でガソリンエンジンの新車販売を禁じると発表した。
自動車業界が電気自動車など排ガスなどを出さないゼロエミッション車に変わるように、繊維業界でも使う原料が新品中心から再生原料などに変わってくる。
帝人フロンティアは、30年度でリサイクルポリエステルなどエコ商材の比率を全体の50%以上にするなどの数値目標を定めた。環境に配慮した原料を使った商材をベースに顧客に提案する。蝶理は再生原料などの活用を一気に加速するための仕組み作りを着々と進める。
伊藤忠商事とクラボウが戦略的パートナー契約を結んだ。伊藤忠がタイ・クラボウに出資し環境に配慮した商品開発やビジネスモデルを創出する。両社が中心となり、「アパレルサステナブルコンソーシアム」(仮称)も設立。「企業単独では実現が難しく、時間もかかる」と繊維業界全体で持続可能な社会を実現する取り組みを進める。
日本でも環境に配慮した取り組みや素材、製品が〝当たり前〟になる。環境配慮を前提に、どれだけ機能、意匠性に優れた商品を生み出すか。新たな段階に入ってきた。