《めてみみ》消費の使い分け

2020/07/22 06:24 更新


 中国国家統計局が発表した20年4~6月GDP(国内総生産)は、物価の変動を除いた実質で3.2%増だった。1~3月は、統計開始以来初めてとなる6.8%減だったが、一気にプラスに転じた。ただ1~6月でみると1.6%減で、依然としてマイナス成長のままだ。

 GDPの中で大きな比率を占める個人消費をみると、6月の社会消費品小売総額は実質で2.9%減と個人消費の回復が遅れている。1~6月も名目で11.4%減となっており2ケタのマイナスだ。ただ、実物商品のネットでの販売額は14.3%増と2ケタ増。その結果、社会消費品小売総額に占めるネット販売の割合が25.2%と4分の1を超えた。

 コロナ禍によりネット販売の利用者数は幅広い年代層で増えた。これまで導入に消極的だった百貨店などの商業施設でも、ライブコマースを導入するなど積極的な対応に転じている。

 一方で海外旅行ができない富裕層がラグジュアリーブランドを中国国内の商業施設で購入する動きも加速している。上海市内にあるラグジュアリーブランドを集積したラグジュアリーモールは、週末になると入場制限をしているブランドもある。上海新世界大丸百貨によれば、同店の「グッチ」売上高は5月が前年同月比30%増、6月が10%増だったという。消費の使い分けが一段と進みそうだ。



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