糸井重里さんに取材する機会を得た。コピーライターとしての仕事は当然知っているし、現在は年間85万部を売る手帳をはじめ、様々なコンテンツをヒットさせている会社、ほぼ日の社長だ。こんな質問をした。
商品やサービスが支持され、成長できる会社とできない会社の違いは何か。答えは「やっぱり経営者じゃないですか」。いわく「社員がうれしいことを経営者は見つけなきゃいけない」。
社員のうれしいことは「お客さんがうれしいことであり、それで社員のみんなが喜べばそれは経営者がうれしいこと」。その循環で会社は成長する。「うまくいかない、悪循環が始まりそうだな」と最初に気づくのも経営者だそうだ。
このままではだめと感じたら「悪循環を全部吹き飛ばしちゃうような面白い、愉快な、努力しがいのあることを見つける」。その際、打開のヒントはその会社の経営理念とか社是の中にあるはずという。
ちなみにほぼ日の場合は「夢に手足を」。思いついたアイデアが手足が生えてるみたいに動きだすよう、具体化の方法を考えるのが自分たちの仕事という意味だ。何をする会社なのか、それを伝え、みんなが納得して働けるようにする。うまくいかずに社員ががっかりして暗い会社は、糸井さんによると「経営者が仕事をしてないんじゃないですか」とのことだ。