百貨店の閉鎖が止まらない。そごう・西武は、そごう徳島店や川口店など5店の閉鎖と2店の営業面積縮小を発表した。高島屋も港南台店と「ららぽーと海老名」内のタカシマヤスタイルメゾンの閉鎖、米子高島屋の地元企業への譲渡を決めた。
業績改善が見込めないことが最大の要因だが、消費増税直後の発表というのが気になる。増税直前の駆け込みと直後の反動減は「前回並み」で、通期見通しも微減とみている百貨店が多いのだが。決算発表が続くなか、百貨店に限らず消費関連産業の動向を注視したい。
大型店閉鎖の問題は後継テナントがなかなか決まらないこと。空白が長引くほど雇用など地元経済への影響は大きくなる。その点で、米子高島屋は興味深い。米子高島屋は17年度末、官民一体での地域活性化の促進を狙いに東館と立体駐車場を米子市に無償譲渡した。公募型プロポーザルで事業者に決定したのがジョイアーバンだ。
同社は東館を「新しいワクワクを創造する滞在型観光施設」がコンセプトの「グッドブレスガーデン」にリノベーションし、11月22日にオープンする。米子高島屋の取得は、新施設との連携による集客力向上を強めるためのものだろう。出店に意欲的な大手小売業は少ないのが現状。地元企業による中心市街地活性化が前向きに進むことを期待したい。