7月1日、上海市でゴミの分別回収が始まった。生ゴミ、燃えるゴミ、資源ゴミ、それ以外に分けなければならない。多くの市民は、区別なしに捨てる生活に慣れていたので、しばらくは混乱が続きそう。日本人が多く住む古北地区のマンション敷地内にあるゴミ集積場には、ボランティアの監視員が目を光らせている。
早いところでは4月ごろから試験運用が始まった。ある駐在員と話をしていたらマンションの自治会が分別用のゴミ箱を各世帯に配布したところもあったようだ。記者が住んでいる地域は、ゴミ集積場に分別用のゴミ箱が設置されているものの、監視員はいない。今まで通りに分別しないで捨てている人もいる。
朝、ゴミを持って部屋を出ると隣人に声を掛けられた。資源ゴミは、今まで通り出入りの回収業者に渡して欲しいという。上海市内を歩いていると、自転車にリヤカーをつないで資源ゴミを回収している人をよく見かける。こうした回収業者の存在が、ゴミの分別回収の実施を遅らせているとの指摘もある。
中間層の拡大で中国も大量消費の時代を迎えた。世界最大の消費市場となり、悠長なことは言っていられなくなったのだろう。ゴミ集積場へ行くと燃えるゴミ専用の収集車が作業をしていた。近代化で、また一つの仕事が無くなるかもしれない。