《めてみみ》一人ひとりの正解

2018/07/31 06:22 更新


 中元商戦がピークを過ぎて、改めて「贈答・おつきあい」の難しさを感じている。お祝いやお悔やみ、感謝などの気持ちを贈り物として相手に伝えようとする時、しきたりやマナーを気にする人は少なくないだろう。お世話になっている特別な人に贈る場合は特に困る。

 百貨店では日々、様々な顧客から「贈り物」の相談を受ける。品選びはもちろん、タイミング、のし紙、表書きなどの知識を持ったスペシャリストを売り場に配置し、顧客の要望に応えている。一方で、全ての販売員のためにマニュアルを売り場に常備する。贈答のルールや地域の風習をまとめたものだ。

 そのマニュアルは長年の顧客への対応や検証の積み重ねによって作成しており、一人ひとりの顧客に根ざしたもの。基本的な知識だけでなく、冠婚葬祭や季節の行事に関するしきたり、地域性、相手との関係性、宗教・宗派などに対応する。

 贈答などの慣習は年々、簡素化しているが、正しいしきたりや地域の風習を知ることは顧客への適切なアドバイスにつながる。「誰に聞いたら良いのか分からない」ことはネット頼りが主流とはいえ、一人ひとりの要望、事情は多種多様だ。正解が一つではない事柄に対するソリューション機能は今後の強みとなる。「日本の文化」を継承するのは百貨店の使命でもあるだけに。



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