大手百貨店で6月29日から、夏のセールが始まった。今年は第2弾を今月27日からに分けて需要を喚起する。第1弾は春物、初夏物、第2弾が盛夏・晩夏物が中心。「猛暑で客足の影響が懸念されたが、滑り出しは前年並みの売り上げだった」(都内百貨店)という。
昨夏まで同業他社より1~2週間遅く始めていた三越伊勢丹は、他店と足並みを揃えた。同社は本来の実需期に正価販売の期間を確保し、適時、適品、適価の品揃えで顧客満足の向上につなげようと12年夏からセール時期の適正化に着手していた。
今回、セールを早めたが、二つの山場を作ることで、長期化する「暑い夏」に対応する考え。第2弾のセールで盛夏物の値下げ時期を遅らせる。正価品はサイズ、色など欠品をなくして機会ロスを排除する。
問題はセール後半となる第2弾の商品確保だ。日本アパレル・ファッション産業協会と日本百貨店協会が連携し、商品供給、イベントを通してセールを後押しする。政府が推進する月末金曜日の「プレミアムフライデー」とも時期を合わせる。
夏のセール商戦を盛り上げるとともに、「ファッション市場の端境期を活性化する狙い」という。実際の季節感とMDのズレを修正し、セール頼りでないMD、販売のサイクルを確立して収益改善に結び付けるかが改めて問われている。