《めてみみ》本の街の活性化

2018/04/18 04:00 更新


岩波新書創刊80周年を伝える、(岩波書店 公式サイトより)

 東京・神保町は複数の大学が集まる学生街で、有数の書店街だ。古本屋や学術書などの専門店が立ち並び、出版社も多い。

 しかし、ここ数年で街の風景は少し変わった。書店は減少し、コンビニエンスストアやドラッグストアなどが目立つようになった。時代の流れではあるが、学生の頃からこの街を知る記者にとっては寂しさがある。

 神保町交差点沿いの岩波書店アネックスに書店とカフェ、コワーキングスペースの複合施設「神保町ブックセンター・ウィズ・イワナミブックス」が開業した。16年に閉店した書店「岩波ブックセンター信山社」の跡地だ。神保町に古くからあるような喫茶店と一体化した書店ゾーン、その奥のコワーキングラウンジに岩波書店刊行の約9000冊の本が揃う。岩波ブックセンターにあった本棚も再利用した。

 ホテルや商業施設の設計・建築などを行うUDSが開発した。中川敬文社長は神保町に近い東京・茗荷谷の出身。「子供の頃から神保町に愛着があり、本の街として再び活気付け、新たな街作りに貢献したい」という思いで開発した。本の著者と読者の交流企画なども行い、ワーカーや学生、訪日外国人も含めて「人々が集う場になれば」と話す。街の歴史とオリジナリティーに新たな機能を加え、地域全体の活性化も目指す取り組みとして注目したい。



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