《めてみみ》過去最高の理由

2018/04/13 04:00 更新


写真右上から時計回りにルクア大阪のワークショップ風景、サンシャインアルパの噴水前広場、改装したラゾーナ川崎のルーファ広場、再開発が決まった大阪・豊中のセルシー

 主要商業施設の17年度全館売上高は、秋冬の天候の後押しもあり、大都市部を中心に前年実績を上回ったところが多い。なかでも興味深いのが「過去最高売上高の更新」や4期以上の連続増収を達成している施設が複数あること。ここ数カ月の本紙掲載記事には、見込みを含めた過去最高売上高の達成施設は10はあった。

 競合施設の増加、ECの成長など、むしろ商環境は厳しくなっているはず。それでも、過去最高となったのは主体的な努力によるものだ。地域需要を見込んだテナントリーシング、広場を活用した多彩なイベントの実施、SNSによる情報発信の強化などの施策が定着してきた感がある。

 「改装したことを知らない人が多い」。そんな嘆きを幾度となく聞いたことを思い出す。「改装効果が長続きしない」と言われ出したのは15年ほど前だろうか。当時の主要な販促施策は改装とセール告知だったが、数年あったはずの改装効果期間が、1年、3カ月とだんだんと短くなった。

 改装やテナント入れ替えは、今でも施設運営の最重点の業務。加えて、重要になっているのが新規導入したテナントはもちろん、既存テナントも活性化する取り組みだ。テナント協業型のワークショップやポイントアップ企画は、その一例。館全体の集客力は、テナント個々の集客力の総和のはずだから。



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