《めてみみ》腕の見せ所

2018/03/29 04:00 更新


18~19年秋冬防寒着を強きに仕込むが・・・(画像はイメージです)

 素材メーカーで値上げが相次いでいる。例えば、4月1日出荷分からは、旭化成がキュプラ「ベンベルグ」の原糸、原綿、紡績糸、生地の全品種を、ユニチカはポリエステルスパンボンド、クラレはビニロンと「クラロンK‐Ⅱ」、ポリエステル短繊維全般の国内外向けを値上げする。原料価格や物流費などの上昇で採算が悪化し、「自社努力で吸収できる範囲を超えた」ためだ。

 「需要家との折衝があるので簡単ではないが値上げできるところはまだいい。アパレルOEM(相手先ブランドによる生産)は上げられる状況にない」と商社のOEM担当者は嘆く。製造、物流コストは高まるが、小売価格がなかなか上がらず、収益の確保が難しい。

 春物の動きが鈍い。そのため18~19年秋冬防寒着の仕込みが不調かといえば、そうとは限らないようだ。「17年秋冬は玉不足で機会ロスが生じた。同じ轍(てつ)は踏まない」と今秋冬向けではダウンウェアを中心に発注に強気を感じる。

 足りなかったから仕込む。皆が同じに考えると、ふたを開ければ供給過剰で、結局値引き販売することにならないか心配だ。ずっとそれを繰り返してきた。

 少し足りないくらいでちょうど良い、あるいは他社とは違う商材を仕掛けて独自性を出すなど戦略の優劣が勝負を分けそうだ。次の秋冬こそMDの腕の見せどころになる。



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