《めてみみ》買い手の都合

2018/03/12 04:00 更新


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 日本気象協会によると、今年の桜の開花は全国的に平年よりも3日ほど早く、東京都心では22日に開花し、29日に満開となる予想だ。桜の季節を前に、就活生は会社説明の会場を飛び回っているが、21年春に社会人になる現在の大学1年生は、桜の時期には採用面接を終えて、内定の連絡を受けているかもしれない。

 経団連は採用活動の解禁時期などルール見直しの検討を始めた。20年は東京五輪と重なり、春から夏にかけて、説明会などの会場を確保できないという理由のほかに、経団連に加盟していない企業や外資系はもっと早期に採用活動を始めており、優秀な学生を奪われているという危機感もある。現在、3月に会社説明会、6月に面接というルールは20年入社までは維持されるが、21年入社については採用面接解禁を3月とする案も浮上している。

 ここ数年、企業業績の回復や少子化で、採用数を増やしても、学生の数は減少し、売り手側の学生有利の状況が続いていた。今年も昨年以上に厳しい状況にあり、企業は学生の確保にやっきだ。

 ただし、売り手市場と言われているものの、売り手の都合などお構いなく、就活のルールは買い手の都合で作っている。学業の妨げにもなりかねない採用活動解禁日の前倒しに、どれだけ大学や学生の声を反映させるのだろうか。



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