中小企業が外部の専門人材とペアを組み、海外需要の獲得を目指すプロジェクトの成果報告会が2月末、都内で開かれた。優れた技術力や感性があっても、中小企業が海外進出するには様々な障壁がある。単独でブランディング、PR、販売など一貫することは極めて難しい。
同プロジェクトは経済産業省の「ふるさと名物応援事業」の一つで、海外販路開拓に向けた補助金(上限2000万円、補助率3分の2)の交付を受けられる。17年度事業は60件の応募から、伝統木工技術「組子」の欄間(富山県)、桐(きり)箱など桐製品(福岡県)など12事業者が選ばれた。
特徴は、海外の消費者ニーズやライフスタイルに詳しい外部人材を活用できる点にある。さらに各業界の経営者、専門家からの助言、情報発信のサポートも受けられる。成果報告会では海外の有力セレクトショップに期間限定店を開き、新たな商品開発や販路開拓につながった事例などが発表された。
事業者の審査や助言にあたった三越伊勢丹ホールディングス前社長の大西洋氏は「マーケティングが最も重要」、ジョージズなど複数のライフスタイルブランドを手掛ける横川正紀ウェルカム代表は「人的ネットワークが今の事業につながっている」と強調する。今後は、海外に向けた事業推進のためのビジネスモデルの構築が必要だ。