先日の地方出張の時、ある中堅都市のホテルで食事をとった。大きなホテルだが、真冬の平日ということもあってか客足はまばらで、レストランも静か。出張者らしい数人の個人客が黙々と箸を動かしている。そこに10人程度のサラリーマン客が登場した。
初めは社内の内輪話らしく低い声での会話が続いたが、お酒が進むにつれて徐々にトーンが上がっていく。30分過ぎる頃には、傍若無人と言ってよいほどの状態になってきた。上司であろうか、注意すべき立場に見える年配の立派な男性までが一緒になって騒いでいる。周りの個人客はもちろん、レストランの従業員も迷惑顔だが、注意する人はいない。
当方も早めに食事を切り上げて退散したが、後で団体客が勤める企業名を知った。その中堅都市で複数の事業を展開する大企業グループの一員。思うに、ホテルにとっては一番のお得意さんであり、典型的な〝企業城下町〟なのだと察した。レストランの従業員が注意できなかったのが理解できた。
さて、同社のホームページには、社会や地域への貢献、顧客満足への取り組みが詳細に掲載されている。外部企業からの好評価なども満載だ。恐らく大部分はその通りなのだろう。それでも一つの見聞が企業イメージを台無しにしかねない。情報が一気に拡散する時代。注意したいものだ。