中国海関総署によると17年の繊維貿易は衣類が約9402億元(15兆9834億円)の貿易黒字だった。衣類輸出は3年ぶりに前年を上回った。内訳をみると、ニットが0・9%減だったものの、布帛は4・8%増だった。日本向けは1028億元の黒字となっている。中国では日本製品の評判は高い。しかし、衣類についてみると日本からの輸入金額はニットが2億8377万元、前年比3・0%増、布帛が3億2083万元、14・6%減となっている。
1元17円としても衣類輸入の総額は約102億円しかない。統計局が発表した社会消費品小売総額のうち、一定規模以上の企業が販売した服装・靴・帽子類は1兆4557億元もある。この巨大な市場に挑戦し続けてきた日本のアパレルだが、成功しているブランドは少ない。
上海市内には百貨店だけでなく、巨大な商業施設が数多くある。そこに入っているブランドは同質化が進んでいる。ネットの台頭もあり、リアルの店舗は苦戦を強いられている。リアル店舗でしかできない時間消費型の店舗やイベント開催による集客を図るなど、工夫を凝らす店舗が増えてきた。
大規模な仕掛けが増える一方で、それに飽き足らない人たちもいるはず。そうした人たちへアクセスする手法は、日本のアパレルの方が一日の長がある気がするのだが。