《めてみみ》差がない時は…

2017/10/31 04:00 更新


 寒くなってきたし、何シーズンか着てくたびれてきた肌着代わりの長袖Tシャツを何枚か買い替えよう。そう思い、仕事帰りにベーシック商品が主力の大手SPA(製造小売業)の店を見て回った。

 店によって保温性が優れていたり、編み地がビンテージ調の杢だったり、機能か見栄えの良さか特徴は異なるが、冬のシャツの下に着て、ちゃんとあったかいモノ、という基準で探すと価格はどこもだいたい同じくらいだった。

 別々の店で1枚ずつ買って、具合の良い方を後で買い足すことにした。2店で買ったが、レジ前で偶然同じ場面に出くわした。両方とも新人とおぼしき販売員さんが、横に立つ先輩販売員に色々指示を受けながら会計と袋詰めをしていた。

 最初の店ではマニュアル通りに作業できないことを先輩販売員が結構きつめに注意して、新人さんの顔がこわばっていた。2軒目ではまだ要領を得ていない新人に先輩は、ごく柔らかい物言いでどうするべきなのか伝えながら、客前では2人とも笑顔を絶やさなかった。

 それぞれの店で個人的にどう感じたかは別として、価格も機能もそれほど差がない商品を買う場合、リアル店での買い物体験がどの店を次から選ぶか判断する材料として大きく働く。もう1枚はネットで買う、という時もそれは同じだ。



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