高速バスで隣の席の若者が、2列シートに一つしかないコンセントを音楽プレイヤーで占有してしまった。充電残量の少ないスマートフォンの操作はあきらめた。
コンセントのある乗り物が増え、新幹線「N-800系」は窓側の座席横に備えている。いつも窓側の席を指定するのだが、窓側に座ったからといってコンセントを独占していいものか悩む。隣の人がコンセントを使いたい時にシェアできるよう、二股コンセントを持ち歩くようになった。
シェアビジネスが広がっている。日本では法による規制があるが、一般ドライバーによるライドシェア、宿泊を希望するゲストに空き部屋を提供するマッチングサービスなど、世界ではシェアリング・エコノミーと呼ばれる事業が急速に拡大している。モノに限らず、知識や技術、時間もその対象だ。
着ない服や使わないアクセサリーなどを個人がネットに上げて個人が買う。CtoC(消費者間取引)は、ファッション市場で無視できない規模になりつつある。BtoC(企業対消費者取引)が川上から川下へとタテに流れるのに対して、CtoCは消費者から消費者へとヨコに流れ、モノの所有は買い手に移っても、売り主には着用した体験が残る。CtoCの広がりの背景には、単なる不用品の売り買いではなく、着用体験のシェアという要因もある。