衣替えの時期だ。あまり買わない方だとは思うが、どうしても服は増えてしまう。クローゼットに入り切らないので、最近では1着買うと1着手放すことにしているが、「まだ着られるのにもったいない」という気持ちがあり、なかなか進まない。
【関連記事】パタゴニア日本支社 「服を着古そう」キャンペーン
米パタゴニアは11年から服を修理・リサイクルするプログラム「ウォーン・ウェア」(服を着古そう)を始め、本国では年間4万点が修理されるほど定着しているという。本紙インタビューで、パタゴニアパブリック・エンゲージメントのリック・リッジウェイ副社長は、日本で廃棄される服の量が増えていると嘆いていた。
ユニクロとジーユーは販売した全商品を対象にリサイクル活動を続け、10年間で日本を含めた62の国や地域の難民など服を必要としている人たちに2000万点以上を寄贈。三井不動産グループも「ららぽーと」などで回収した衣料品を日本救援衣料センターを通じ、各国の難民や被災者に寄贈している。
日本ではやや改善されたとはいえ15年の貧困率は15.6%で、6、7人に1人が貧困状態にある。難民への支援はもちろん大事だが、国内でもリサイクル衣料へのニーズは高いはず。不用になった服をどう有効に活用するか。企業だけでなく、個人にも問われるテーマだ。着なくなった服にも、まだ「服の力」は残っている。