《めてみみ》3つの「品」

2017/09/06 04:00 更新


 北京で繊維関連団体のトップに会った。昨年から始まった第13次5カ年計画では、新常態(ニューノーマル)下で成長の内容も量から品質向上を強く意識した内容となっている。各団体のトップが今後の成長戦略で強調したのが「品質」「品番」「ブランド(品牌)」の三つの「品」だった。

 実現のために高付加価値化や高機能性の実現を目指していく考えだ。この間、右肩上がりの経済で拡大競争に終始してきた面が強かった。しかし主要な輸出先である先進国経済は低迷。中国国内市場も成長の鈍化に加え市場の多様化が進んでいる。

 内外の市場変化に対応するため「経営資源の効率的な配置」「技術力の向上」「コストの削減」「環境対応」を推進していく。中国の繊維産業は、改革開放経済において先発産業であり、現在も存在感のある産業であることに変わりない。

 そのため「社会にどう貢献していくのかが問われている」との認識も高まっている。ただ、「一帯一路」政策については産業によって意見が分かれる。化繊産業は規模が大きく省力化も進んでいることもあり、コスト削減を目的とした内陸部への移転には消極的。東南アジアなど海外への進出もリスクが大きいと、前向きではないのが意外だった。中国繊維産業は従来の枠組みにとらわれない新たな対応が求められている。



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