《めてみみ》驚きと感動と

2017/07/27 04:00 更新


 自動運転アシスト機能が付いた車を運転した。高速道路で試すとアクセルを踏まなくても走り続け、ハンドルから手を放していてもカーブを曲がる。同乗者全員が「おぉ!」と声を上げた。

自動車のテレビCMが大きく変わった。つい先日までは燃費の良さを訴えていたが、今は人や物との衝突を回避する安全技術や自動運転アシスト技術の打ち出しに一変した。新しい価値を生み出し、燃費=コストパフォーマンス競争から抜け出した。燃費の良さを競うあまり、不正を犯す悪循環にも陥っていた。外国勢やグーグルなどとのAI(人工知能)を活用した激しい技術競争が進化を促す。それをうまくアピールし、消費者の購買基準を変えることに成功しつつある。

上半期(1~6月)の国内新車販売台数は、前年同期比9%増で3年ぶりにプラスに転じた。「国内市場は縮小」「若者は車に乗らない」との向かい風を跳ね返す力強さがある。ファッション業界はどうか。言い訳が先行してはいないだろうか。

先日香港で開かれた〝未来〟をテーマにしたイベント「フューチャーズ」では、商品だけでなく驚きや感動を売る重要性が強調された。日本のファッション産業も消費者の購買基準を大きく変えていかないとコスト競争から逃れられない。「驚き」「感動」など切り口は多い。



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