上海の地下鉄2・12・13号線南京西路駅近くに新たな複合商業施設「興業太古匯」が、ソフトオープンしたので見に行った。現地紙によれば、建設には170億元を費やし、延べ床面積10万平方メートルの商業施設と17万平方メートルのオフィスビル、三つのホテルを併設している。商業施設には45のレストランと250のショップが入るという。
営業している店舗は半分以下だった。そのため、週末の夕方に行ったにもかかわらず、人はまばらだった。営業している店舗の店員や警備員たちも時間を持て余している感じだった。近隣の商業施設は南京西路の集客力向上を期待する一方で、ラグジュアリーブランドから有名ブランド、中間層向けブランドまで幅広く揃える店舗に身構えてもいる。
上海に限らず中国では大型商業施設の建設が続く。同質化が進んでいるのが実情で、苦戦を指摘される商業施設も多い。そうした中で、新たにできる商業施設は他の商業施設にはない特徴を求められている。中国でSC開発や研修事業を行う上海地慧房地産諮詢(CCD)が上海で新たに手掛ける「上海中庚漫遊城」は、ポップカルチャーを集積したフロアが目玉だ。「ポップカルチャー発信の場にし、同質化した売り場との差別化を図りたい」考えだ。日本ならではの発想が生きる場は、まだまだあると感じた。