個性の違いを笑顔の力にしたい――アートディレクターの水谷孝次さん率いる「メリー・プロジェクト」はこのほど、東京・青山の国連大学前広場で体験型イベント「メリー・スマイル・シブヤ・フォー2020」を開いた。渋谷区内の10大学の学生や、年齢や性別、国籍、障害の有無に関わらず多様な個性を持つ人が集まった。
当日は、東京オリンピック・パラリンピックの公式アートポスターを制作するアーティストの一人で書家の金澤翔子さんや、知的障害を持つメンバーが中心のロックバンド「サルサガムテープ」によるライブパフォーマンスで盛り上がった。参加した10大学は体験型のブースを出店。実践女子大学はペットボトルの風鈴作り、津田塾大学はゆかたの着付けを無料で行った。
ランウェーショーも実施。鶴田能史さんがデザインする「テンボ」(テンボデザイン事務所)による平和をテーマにしたものと、文化学園大学短期大学部との協業による二つのショーを見せた。
目玉はテンボと協業で制作した直径10メートルの「笑顔ドレス」。世界32カ国500人の子供の笑顔がプリントされたものだ。ほかにも、北京オリンピック開会式で披露した、31カ国の子供の笑顔をプリントした傘をモデル80人が観客席で広げ、会場に笑顔の花を咲かせた。
同イベントは東京オリンピック・パラリンピック1年前を記念して企画した。昨年11月にも同様のイベントを東京・渋谷ヒカリエで開き、好評だった。
メリー・プロジェクトは水谷さんが99年に立ち上げた。現在はNPO(非営利組織)メリー・プロジェクトとして、世界各所でアートイベントやパフォーマンス、文化イベントを開いている。