韓国、中国、タイ、そして日本。24~25年秋冬パリ・ファッションウィークでは、ラグジュアリーブランドのフロントローでアジアンセレブ祭りが起こっていた。アジアのパワーはそれだけでなく、ランウェーや若手発掘コンペ、そしてショールームと、ウィークを通して感じることができた。
(ライター・益井祐)
「ルイ」は21年のLVMHヤングファッションデザイナープライズでセミファイナリストに選ばれた実力派だ。ボディーポジティブをベースとした体にフィットしたニットウェアがシグネチャー。「アディダス」とのコラボレーションも発表された。アントワープ王立芸術アカデミーを卒業した「ウィンドウセン」は、サイバークチュールとでも呼べそうなダイナミックなコレクションで注目を集めた。セレブのステージ衣装も多く手掛け、24年春夏からオフスケジュールでショーを行っている。「リズ・ポリ」は「Yプロジェクト」出身のデザイナー。アシンメントリーのMA-1ジャケットのようなデイリーアイテムにちょっとしたツイストを加える。
日本から「コッキ」が選ばれた今年のLVMHプライズのセミファイナル。ショールームには5組のアジア系ブランドが並んでいた。「ヤ・イ」はスペイン人だが中華系移民。自身の持つスペインと中国のヘリテージをデザインに落とし込む。彼女がファッションを学んだニューヨークでの生産を通して、移民をサポートしている。香港の「パンダラー」は、テキスタイルや加工にたけたデュオだ。得意のシャーリングをウォッシュの後に解くことで、独特の色落ちを作り出した。