ルーム・ニッポン 鎮魂の琵琶歌を発表 大震災を語り継ぐ一助に

2021/03/12 06:27 更新


11月に国立能楽堂でも演奏される

 ファッションを媒介に東日本大震災の被災地を支援する一般社団法人ルーム・ニッポンが3月10日、都内で琵琶(びわ)歌「嗚呼三月十一日」(仮)の発表会を開いた。震災から10年の節目に「100年後も200年後も、あの日の記録・記憶として残っていくものにしたい」(加賀美由加里代表)と制作した歌で、参加者たちは琵琶の音色と詞に耳を傾けていた。

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 ルーム・ニッポンは、「鎮魂と希望の象徴」である桜の植樹活動、現地でのバッグ生産による雇用創出などを通じ、宮城県南三陸町への復興支援を続けている。桜は今年2月までに2587本を寄付し、1453本を植樹。震災の年に生まれた子供が成人する31年までに3000本を植え、東北一の桜の名所を目指している。南三陸町で毎年、植樹祭を行ってきたが、今年はコロナ禍で断念。以前から構想していた琵琶歌を届ける場を都内に設けた。加賀美代表は歌を制作した理由について「励ましの歌はたくさんあるが、亡くなった方の歌がない。震災から10年経つ今だからこそ、ご冥福を祈れるのでは」と話した。

 会場には、三陽商会の中山雅之副社長、オンワード樫山の鈴木恒則社長、ドーメル・ジャポンの鈴木貴博社長をはじめ、創設当初から活動を支援してきた業界関係者が集まった。



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