「#ストップアジアンヘイト」--世界ではアジア人差別に対する運動が広がりをみせている。ファッションでもフィリップ・リムやスージー・バブルことスージー・ラウなどが中心となり、ソーシャルメディアで積極的に活動。そんな風潮が起こり始めた頃、ロンドン・ファッション・ウィークではアジア出身の若手たちがアジアンパワーを見せつけていた。
(ライター・益井祐)
【関連記事】【マスイユウのYUラブCPHFW】世界のインフルエンサーがプレゼンター
やはり勢いは中国にあり! 20年の「LVMHヤングファッションデザイナープライズ」のセミファイナリストだった「ユーハン・ワン」。中国の伝統的な風景画が着想源だ。長寿を意味する松の木や優しさの象徴である鹿、唐の時代の画人たちが描いた思いを、プリントや刺繍としてコレクションに落とし込んだ。ドレスやパンツに縦に入ったギャザーが、エレガントなドレープを作り出す。重ねられたシフォンはあたかも霧がかった情景のようにも見える。ウエストを強調したジャケットのスリーブにはボリュームを加え、スカートは膝下丈のマーメイドというユーハンの好むシルエットだ。木々がプリントされたコートはローエッジでフリンジのように仕立ててテキスチャーを強調する。