レディスファッションは超コスパ時代

2016/07/18 21:02 更新


品質、着こなし、着回しで勝ち抜く 計算された“抜け感”がカギ


 冬のコート不発に始まり、苦況が続くレディスファッション市場。消費の中で相対的にファッションの存在感が弱まり、1点1点を吟味して購入する女性がさらに増えたといわれる。そんな中で、支持されるブランドや商品にはいくつかの共通項がある。それは女性が買い物の際に重視するコストパフォーマンス(コスパ)、つまりは価格に対する品質、着こなし、着回しの3点だ。(石井久美子)


驚きのある物作り

 ここ1、2年のノームコアブーム以降、店頭にはベーシックな服があふれた。こうした商品は素材や縫製の違いが如実に出るため、他社と比較されても負けないよう「値札を見たときに驚きのある物作り」を掲げる企業が増えた。セールの威力も弱まり、プロパーで真っ向勝負できる商品を作った方が結果的には利益が取れるという考えも強まっている。


 業界旧来の〝価格観〟を破った代表的な企業、マッシュスタイルラボ。中でも「ミラオーウェン」は、コスメや食など興味・関心の幅を広げる女性がファッションを低予算で楽しめるよう、14年に開発された業態だ。上品できれいな見た目だがカットソーで着心地が楽なワンピースなど、コレクションを重ねるごとにコスパのレベルを上げ、売り上げを伸ばしている。

 先日開業したアトレ恵比寿西館は2階が全てマッシュグループの店だが、コスメ、レストラン、スポーツ、エコ洗剤などの店と並んでミラオーウェンが出店している様子は、まさに今の都会の女性のライフスタイルの縮図に見える。

 品質と価格の新たなバランスに挑戦しているのが、トウキョウベース(旧ステュディオス)のレディス、メンズ業態「ユナイテッドトウキョウ」。デザイン性のあるモードなオリジナル服を国内で生産しながら、販売価格は手頃というギャップが魅力で、原価率の高さは業界からも注目されている。もちろん、原価率さえ高ければ消費者が満足するわけではない。消費者が見たり触ったときに、〝価値が伝わる〟商品に落とし込むことがポイントだ。

(繊研 2016/06/06 日付 19485 号 1 面)

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